最年少二冠SF&スーパーGT王者・宮田莉朋がついに世界へ「背中を押してくれたトヨタ会長モリゾウさんに感謝」 (4ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro

 しかも、それを聞かされる前日にはTGR-E(トヨタ・ガズー・レーシング・ヨーロッパ)と2024年の拠点を決めていて、家族にも説明をしていたので、『1日でそんなに急に変わる?』と思いました(笑)。でも、僕は世界に行きたいと思っていたので、背中を押してくれたモリゾウさん(豊田章男トヨタ会長)をはじめ、TGRのみなさんには感謝しています」

── 世界挑戦への扉が開いた次の目標は何ですか?

「来シーズン、僕はWEC(FIA世界耐久選手権)のプログラムがメインで、その一環としてFIA F2とELMS(ヨーロピアン・ル・マン・シリーズ)に挑戦するので、まずは結果を残すこと。そこでの経験をつなげれば、WECのハイパーカークラスでTGRから乗れるのではないかなと思っています。

 F2に関しては、僕にとって予想外のことでした。もともとは来年もSF(スーパーフォーミュラ)で『フォーミュラカーのレースは日本でやる』という感覚でしたから。それがヨーロッパをメインで転戦するF2で、F1の直下カテゴリーというのは想定外でした。

 F2ではF1の関係者に見られるレースに出られます。ELMSにも各メーカーのファクトリードライバーが参戦していますし、僕はかつてトヨタのWECで活躍していたニコラ・ラピエールさんのチームで走ります。いろんな部分で幅が広がっていくので、どちらのカテゴリーでも成績は残していきたい」

── F1直下であるF2への参戦が注目されがちですが、WECハイパーカークラスへの参戦も重要な目標となっているのですね。

「そうですね。あとWECに関しては、両親がレース好きで、僕は小学生の頃から父に1980年代のレース映像や地上派で放送されたル・マン24時間レースを見せられていたんです。その後、家族旅行で(ル・マン24時間の舞台である)サルト・サーキットに行ったんですけど、当時の僕はF1をメインで追いかけていたので、正直あまりその場所に興味が湧きませんでした。

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