ホンダの名車「NSX」は2023年で見納め...有終の美を飾って「シビック」にスーパーGTタイトルを継承できるか (4ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

【エースドライバーも手応え】

 3月11日・12日に岡山国際サーキットで行なわれた公式テストでも、ホンダ勢がライバルを尻目に上位を独占。テストのタイムだけで今季の実力を判断するのは難しいが、昨年チャンピオンのMARELLI IMPUL Z(ナンバー1)を駆る平峰一貴、ベルトラン・バケットともに「今年のホンダは速い」と口を揃えて話していた。

 公式テストの結果に対し、ホンダの佐伯LPLはこのように分析する。

「昨年からある程度いいクルマはできあがっていたと思いますが、各チームが(タイプS仕様のNSX-GTのクセなど)全部を理解するのに時間がかかりました。今年はこのクルマの理解が深まって、みんなが同じようなレベルのところまで持ってこられている。それが、周りから『ホンダが速いんじゃないのか?』と言われている要因かもしれません」

 シーズン前はいつも控えめなコメントの多い山本も、今年に関しては「調子はよさそう」と明言した。

「僕たちの強みは、毎年のように最終戦でチャンピオン争いに加われていること。この5年で2回チャンピオンを獲れています。『レースは最後まで何があるかわからない』のは骨身に沁みてわかっているつもりです。まずは開幕戦でスタートダッシュを決めつつ、チャンピオン獲得の権利を持った状態で最終戦に臨めるよう1年間しっかりと組み立てたいです」

 2021年はトヨタ、2022年は日産と、2年連続でタイトルを逃した悔しさは結果でしか晴らせない。2023年のホンダは「NSX-GTラストイヤー」を有終の美で飾ることができるか。

プロフィール

  • 吉田知弘

    吉田知弘 (よした・ともひろ)

    モータースポーツジャーナリスト。1984年12月19日生まれ、石川県出身。2011年よりスーパーGT、スーパーフォーミュラなど国内4輪レースを中心に取材。専門誌やweb媒体などで執筆中。日本モータースポーツ記者会所属。

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