MotoGP今シーズン初テストで見えた2023勢力図。王者ドゥカティと日本勢ヤマハ&ホンダのタイム差は?

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • photo by Nishimura Akira, ©MotoGP.com

 MotoGPのプレシーズンテストは毎年、マレーシアのセパンサーキットからスタートする。今年も例年同様に3日間のスケジュールで、2月10日から12日まで全11チーム22名の選手が参加して行なわれた。

 参戦する5メーカーのうち、最大勢力はドゥカティ。今年も8台のマシンをグリッドに並べ、2022年チャンピオンのフランチェスコ・バニャイア(Ducati Lenovo Team)はバイクにナンバー1をつけてシーズンに臨む。ライダーの固定ナンバーが慣例になっていたMotoGPで、チャンピオンナンバーの1番が使用されるのは2012年シーズンのケーシー・ストーナー以来だ。

参戦4年目でMotoGP王者に輝いた26歳のバニャイア参戦4年目でMotoGP王者に輝いた26歳のバニャイアこの記事に関連する写真を見る 新王者のバニャイアは、このテストで実りのあるテストメニューを消化。初日を終えた際には「昨年はシーズン前にあれこれ試しすぎて、それが序盤戦の苦戦を招いてしまった。今回は、バイクのベースセットアップを煮詰める作業に集中し、初日で既に昨年のテストで記録したベストよりもいいタイムで走ることができた」と話した。

 また、雨に見舞われた2日目は、ウェットコンディションでも良好なフィーリングを得ることができた、とポジティブなコメントを述べ、最終日の3日目にはタイムアタックで全体の2番目となる1分57秒969を記録した。

「今年初めてのタイムアタックでもフィーリングよく攻めることができた。23年型マシンの進むべき方向性も明確に見えた。ハンドリングだけは22年型よりもナーバスなので、次のテストではそこを詰めていきたい」と、満ち足りた表情で3日間の成果を振り返った。

 ほかのドゥカティ勢も総じて好調で、総合トップはバレンティーノ・ロッシの弟、ルカ・マリーニ(Mooney VR46 Racing Team)。バニャイアに0.080秒差をつけ、彼ら2名以外にもドゥカティ勢8名のうち7名が上位トップ10に入る力強さを見せつけた。

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