MotoGP今シーズン初テストで見えた2023勢力図。王者ドゥカティと日本勢ヤマハ&ホンダのタイム差は? (3ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • photo by Nishimura Akira, ©MotoGP.com

2021年王者のクアルタラロは昨年総合2位2021年王者のクアルタラロは昨年総合2位この記事に関連する写真を見る ヤマハは、2021年のチャンピオン、ファビオ・クアルタラロ(Monster Energy Yamaha MotoGP)がテスト初日から良好さをアピールした。トップスピードの遅さが積年の課題で、ライバル勢と戦う際にもこれが原因で苦戦を強いられてきたが、今回のテストでは初日から昨年のレース時よりも高いトップスピードを記録。

「昨年は、テストを始める前からどの仕様でシーズンを戦うか決まっていた。今年はたくさんのオプションがあって、そこから絞り込む作業をしている。メニューがたくさんあるので大変だけど、レースキャリアで初めて、テストらしいテストになっている」と充実した表情で話した。

 ただし、3日目のタイムアタックでは、新品タイヤを装着してタイムアタックに挑むとうまく走れない状態に陥った、と明かした。

「22周以上を走ったタイヤでも2分00秒台を維持できるけれども、新品を入れて攻めるとなぜかタイムを出せない。この原因を究明して次のテストに臨みたい」

 そう話すとおり、今回の総合順位はマリーニまで1.054秒差の19番手。好調なスタートを見せた初日から、3日目に次の宿題が見えてきた格好で今回のテストを終えた。

 日本メーカー勢のもう一翼、ホンダは2022年に彼らのグランプリ史上でかつてないほどの苦戦を強いられた。メーカー間のランキングでは最下位、全12チームのランキングでもファクトリーのRepsol Honda Teamが9位、サテライトのLCR Hondaが10位、という惨憺たる状況だった。

 2023年は、負傷から本格復帰してタイトル奪還を目指すマルク・マルケス(Repsol Honda Team)のチームメイトとして、2020年のチャンピオン、ジョアン・ミルが加入。LCR Honda Castrolには、昨年の最終戦で劇的な勝利を挙げたアレックス・リンスが入り、中上貴晶(LCR Honda IDEMITSU)のチームメイトになった。

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