「こんなの馬鹿げている」。角田裕毅、5カ月ぶりの入賞でも苛立ち。なぜガスリーを先行させたのか (4ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • photo by BOOZY

残り3レースでの飛躍に期待

 それでも苛立ちを抱えたままのレース後半に、角田はその苛立ちをドライビングには影響させなかった。冷静なタイヤマネジメントでタイヤを保たせ、レース終盤には周冠宇(アルファロメオ)とアレクサンダー・アルボン(ウイリアムズ)を抜いて10位に浮上してみせた。このレース運びがチームの信頼を高め、それを続けていくことで、来季につながっていく。

「1ポイントは小さいですけど、それでも大きな意味があります。中団グループの争いはかなりタイトですし、こうやってポイントを重ねていくことに意味があると思っています。この流れを残りの3レースにつなげていければと思います」

 あまりに長すぎたトンネルは、ようやく抜け出した。入賞圏へのビジョンも再び見えてきた。鈴鹿でひと回り大きく成長した角田の前進は、まだまだ続いていく。

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