スーパーGT初優勝の23歳コンビは昔、バチバチのライバル同士だった。今では悔し涙を流す相棒を励ましあう仲 (3ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

最高の誕生日プレゼント

 しかしその後、第3戦・鈴鹿で3位表彰台を獲得し、流れが徐々に好転する。そして迎えた第4戦・富士、予選3番グリッドのフェネストラズが2番手に上がると、第2スティント担当の宮田もトップを行くリアライズコーポレーション ADVAN Z(ナンバー24)を追い詰め、73周目のピットストップでついに逆転。最終スティントも宮田が後続を寄せつけない走りを見せて、念願のトップチェッカーを受けた。

「全日本F3のライバルだった関係から始まって、今はチームメイト。団結力という点では、スーパーGTのなかでも一番あると思っていました。1戦目、2戦目は結果を残せませんでしたけど、ステップバイステップで絶対にいいレースをするという目標を続けていたので、勝てたのはその努力が結果として現れたのだと思います」(宮田)

「リトモ(宮田)と最初に知り合ったのはマカオF3だった。その後、2019年に全日本F3で一緒にレースをした時はライバル同士でバチバチだったけど、そこから3年経った今はチームメイトとして戦っている。そんなふたりでGT500初優勝を飾ることができて、すごく興奮している」(フェネストラズ)

 この優勝によって宮田/フェネストラズ組は合計31ポイントとなり、ドライバーズランキングで一気にトップへと浮上した。次のレースは重いサクセスウェイトを背負っての戦いとなるが、彼らがチャンピオン候補の一角に名乗りを上げたといっても過言ではない。

 フェネストラズは7月28日、宮田は8月10日に23歳の誕生日を迎えたばかり。GT500クラス初優勝は、ふたりにとって最高の誕生日プレゼントになったことだろう。

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