スーパーGT開幕戦はパドック騒然。トヨタ表彰台独占、王者ホンダ大不振

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 スーパーGTの2021シーズンが4月10日・11日、岡山国際サーキットで開幕した。昨年も最終戦までチャンピオン争いがもつれたように、今年もGT500クラスではホンダ、トヨタ、日産の3メーカーによる接戦が予想される。

 スーパーGTは例年、岡山で開幕戦を迎えていたが、昨年は新型コロナウイルスの影響に伴うスケジュール変更で開催を断念。2年ぶりに帰ってきたとあって、感染防止対策として観客人数制限や入場エリアの一部規制など厳しい状況ではあったが、会場はこれまでに劣らない熱気に包まれた。

スーパーGT開幕戦・岡山で表彰台を独占したトヨタ勢スーパーGT開幕戦・岡山で表彰台を独占したトヨタ勢 そんななかGT500クラスは、予選前に行なわれた公式練習でホンダNSX-GT勢がトップ3を独占。岡山国際サーキットはホンダが得意としているコースということもあり、開幕戦の優勝予想は「ホンダ」を推す関係者が大半だった。

「トヨタ勢は直線スピードで速く、(第2戦の)富士では強敵となりそうな印象。だが、岡山に関してはホンダに分があると思っています。ここで多くのポイントを稼ぎたい」

 昨年のGT500王者である山本尚貴(ナンバー1/STANLEY NSX-GT)も、開幕前にこう語っていた。

 しかし午後の予選になると、勢力図が一変する。

 15台から8台に絞られる予選Q1では、ホンダの中でブリヂストンタイヤを装着する3台がノックアウトされたほか、日産勢は全4台がQ1敗退。その一方、トヨタは6台全車がQ2へと駒を進め、最終的にトップ5を独占したのである。

 まさに"トヨタ一強"と言っても過言ではない結果に、パドックは騒然となった。喜ぶトヨタ陣営の横で落胆の雰囲気を隠せないホンダと日産......。なぜ、このようなことになったのか?

 要因のひとつは、予想以上の暑さだ。

 例年なら、岡山での開幕戦は晴れていても気温10度前後。しかし、今年は決勝時に気温20度、路面温度30度を超えるという、岡山で前例のないコンディションとなった。

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