MotoGP次代を担う超逸材がポールポジション獲得。時代は動きつつある (4ページ目)

  • 西村 章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 過去にも、逸材を期待された大物選手はおしなべて、最高峰クラス昇格直後からめざましい成績を残してきた。たとえば、ダニ・ペドロサは06年に最高峰へ昇格した最初のレースで2位表彰台に登壇した。同年に同じくMotoGPへステップアップしたケーシー・ストーナーも、第2戦でポールポジションを獲得している。ホルヘ・ロレンソは08年のステップアップ初年に、開幕から3戦連続してポールポジション。13年にMotoGPを戦い始めたマルク・マルケスは、シーズン第2戦でポールトゥフィニッシュを達成した。

 マルティンが彼らのような超大物選手へ成長していくのかどうかについては、まだ未知の部分を多く残している、というのが正直なところかもしれない。とはいえ、「今日は表彰台を獲れたけれども、バイクの理解をもっと進めていかなければならないので、今後のレースもトップテンの入賞が目標。シーズン中盤戦くらいには、もう少し高いところに目標を上げていけると思う」。そう述べる謙虚な言葉の底には、強い自信の基盤があることもまた、容易に見て取ることができる。

 ちなみに、Moto3時代にマルティンがポールポジションや優勝を争ってしのぎを削っていたライバルは、同年代で現チャンピオンのジョアン・ミル(Team SUZUKI ECSTAR)。時代は少しずつ、しかし確実に、彼らのもとへと動きつつあるのだろう。

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