マルケスの「技」を盗めたか。中上貴晶がMotoGP参戦3年目を振り返る (6ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●写真 photo by Takeuchi Hidenobu

ーーこのデバイスが中上選手のマシンに入ったのは、中盤戦からでしたっけ?

「そうです。たしか、ミザノ1戦目(第7戦サンマリノGP)だったと思います。でも、以後は毎回使っているわけでもなくて、例えば、モーターランドアラゴンのように1コーナーまでの距離が短いコースだと、あまりメリットがないので外していました。デバイスそのものもまだ少し重量があるので、使わないときは外しておいたほうがいいんですよ。今はHRCが来年に向けて、軽量化に取り組んでくれていると思います」

ーードゥカティは、この装置をコーナー立ち上がりの姿勢制御にも利用しているようですが、ホンダ勢はそういう利用をしていないのですか?

「していますよ。僕もシーズン終盤のバレンシア(第13・14戦)くらいから使っています。スタートデバイスと同じ使い方でレバーを押し込むだけなので、コーナーから脱出するここぞというときに、ウィリーを軽減させてパワーを出すために使用します」

ーーやはり、体感的には違いますか?

「速度感はそんなに変わらないけど、フロントの安心感が増すので、次のコーナーのブレーキングをハードにできるというメリットはありますね」

ーーライダーとしては、やることが増えますね。

「そうなんですよ(笑)。でも、自分がほしいところで効果を効かせることができるので、ポジティブに捉えてます」

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