トヨタ・スープラ絶好調。ホンダNSX-GTに待っていた「落とし穴」とは (2ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu


「コロナウイルスの影響でテストが数回中止になり、先日の富士テストでやっと2020モデルが出来上がったという印象です。ここからはレースをしながらクルマを煮詰めていく......という戦い方になると思います。

 スープラ(トヨタ)は十分に安定していて、余裕を持ってテストをしているのが、こちらからも見てとれました。GT-R勢(日産)もテストでトラブルは出ていましたけど、十分に速さを持っていると思います」

 この予感は、残念ながら見事に的中することになる。

 公式練習と予選Q1は、開幕前テストと同じくホンダNSX-GTがトップを死守していたが、Q2に入ると流れは一変。トヨタ勢が好タイムを叩き出し、ホンダ勢を抑えて平川亮/ニック・キャシディのKeePer TOM'S GR Supra(ナンバー37)がポールポジションを獲得した。

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 さらに午後の決勝レースで、スープラが本領を発揮する。

 37号車はスタートから後続を圧倒する走りを披露し、一時は24秒もの大量リードを築く。その後、後続のアクシデントによるセーフティカー導入でアドバンテージは失ったが、終盤もライバルをまったく寄せつけない力強い走りを見せて、見事に開幕戦を制した。

 一方、レース序盤に2・3番手につけていたホンダ勢は、予想以上に暑いコンディションになったこともあり、後半になると劣勢に。予選では上位に食い込む健闘を見せたNSX-GTだったが、終わってみればスープラにトップ5を独占されてしまった。

 決勝でのスープラの快進撃を、37号車の平川はこう分析する。

「上位にいたホンダ勢は同じブリヂストンで、どの種類のタイヤを使っているかわかっていました。暑くなって(タイヤを持たせるのが)厳しくなるのもわかっていたので、はじめの数周だけ踏ん張れれば引き離せると思いました」(平川)

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