母は女優。1992年F1で走った美貌の女性ドライバーの劇的な人生 (2ページ目)

  • 川原田剛●文 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO), Sauber Racing, Williams, W Series

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 また元F1ドライバーの野田英樹を父に持つJuju(樹潤)も注目を集める日本人女性ドライバーのひとりだ。F1で勝つことを夢見る14歳のJujuは今シーズンからデンマークのF4選手権に参戦。家族そろってヨーロッパに渡り、F1へのステップアップを目指している。

 F1には過去に5人の女性ドライバーがエントリーしたが、そのうち予選を通過し、決勝に出場したのは2人だけ。1958年に初めての女性F1ドライバーとして歴史に名を刻んだマリア・テレーザ・デ・フィリッピス(最高位10位)と、75年のスペインGPで6位に入り、女性として初めて入賞を飾ったレラ・ロンバルディである。
 
 2014年には当時31歳のスージー・ヴォルフがイギリスとドイツの両GPでF1マシンを走らせたが、あくまで練習走行でのことだった。

練習走行で、F1マシンを走らせたスージー・ヴォルフ練習走行で、F1マシンを走らせたスージー・ヴォルフ 最後に女性ドライバーがレースに挑戦したのはもう30年近くも前のことになる。1992年にブラバムから参戦したジョバンナ・アマティだ。

 ローマ出身のアマティはイタリアF3を経てF1直下の国際F3000で4シーズンにわたって戦っていたが、入賞経験はゼロ。F1に乗れるだけの実績はなかったが、ある日、当時のF1を取り仕切っていたバーニー・エクレストンから電話があり、突如、ブラバムからデビューすることが決まったという。

 ブラバムは元F1チャンピオンのジャック・ブラバムが設立し、合計6度の世界タイトルを獲得した名門チームだが、資金難のために存亡の危機を迎えていた。そこで著名な映画プロデューサーであり、映画館チェーンを経営する父を持つ彼女に白羽の矢が立ったのだろう。しかもアマティは、映画女優の母から受け継いだ美しさも兼ね備えていた。

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