「ホンダの総力の結集」をF1責任者が語る。前半戦2勝は予想以上
2019年のシーズン前半戦、ホンダは「2勝・表彰台6回」という成績で終えた。レッドブルと組み、トロロッソとあわせて2チーム供給を開始した初年度の前半からこれだけの成績を挙げることができたのは、開幕前の状況を鑑みれば期待以上の結果と言うべきだろう。
レッドブル・ホンダの記念すべき勝利をあげたフェルスタッペン ホンダがパワーユニットの信頼性を確保してレッドブルの車体性能を持ってすれば、優勝争いに絡むことは十分に可能だというのがレッドブル・ホンダ陣営の当初の目論見だった。しかしフタを開けてみれば、レッドブルはフロントウイングを主とした新レギュレーションへの対応を誤り、車体面でのアドバンテージを失っていた。
「今までのレッドブルは車体の戦闘力が非常に高かったわけですが、バルセロナ(合同テスト)でフタを開けてみれば、『あぁ〜、やっぱりトップとはこのくらいの差があるんだな』というのが現実として数値化されて、そこから追い付け追い越せで開発をしてきました。0.5秒の差を0.4秒や0.2秒にするのと、0.1秒の差をゼロにするのとでは難しさがまったく違います。そんななかで大きな差がついていました」
そう語るホンダの田辺豊治テクニカルディレクターも、やはり、酷暑のオーストリアGP(第9戦)と雨のドイツGP(第11戦)で計2勝を挙げることができたのは予想以上の結果だった、と振り返る。
「シーズンがスタートして半分が過ぎた今、車体とパワーユニットの総合的なパッケージ性能としてそれ(メルセデスAMGとの差)が詰まっているとも思いませんし、そんなに簡単なことだとは思っていません。(暑さや雨という)いろんな条件のなかではありましたけど、2勝できたというのは予想していなかったことですし、予想よりもいい結果というのが私の気持ちです」
第5戦・スペインGPと第8戦・フランスGPの大型アップグレードに加えて、第9戦・オーストリアGPに1台分だけ間に合わせた新型フロントウイングで、レッドブルはようやく車体性能の抜本的改善を果たすことができた。
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