ホンダ勢トップドライバーは残留。来季インディの勢力図はどうなる? (3ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano
  • 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 ロッシは契約延長の背景をそう語っている。シーズン終盤の大事な時期、タイトルを争っている真っ最中に、「来年以降もチームに残る」と発表することの意味は大きい。クルーは一丸となって、残るレースも全力でロッシをサポートしていくことだろう。

「レースという世界において、継続は本当に重要だ。同じメンバーが協力し合う体制が続いていくことで、力が積み重なり、チームは強くなっていく。僕とチームの間には強い信頼関係と深いコミュニケーションがある」(ロッシ)

 かつて歴代4位となる通算42勝を挙げたチームオーナー、マイケル・アンドレッティもロッシの残留を喜んだ。

「継続は重要。それは私も常々言っていることだ。来年も我々は今年と同じドライバー4人で戦う。このラインナップは3年目で、来年は今年以上の活躍ができるものと期待している。ロッシの残留はインディカー・シリーズにとってもファンタスティックだ。パワーバランスが大きく崩れなくて済んだ。これからもインディカーでの戦いは激しいものであり続けるだろう」

 ミッドオハイオでは、ホンダ勢のもうひとつの雄、チップ・ガナッシ・レーシングが、2014年の最終戦フォンタナ以来となるワン・ツーフィニッシュを飾った。優勝はチャンピオンになること5回のベテラン、スコット・ディクソン。2位でゴールしたのはルーキーのフェリックス・ローゼンクヴィストだった。

 ディクソンは、今年からチームメイトとなったスウェーデン出身の27歳が持つスピードに強い刺激を受け、チャンピオンシップに向けた意欲を新たにしている。

「マシンの好みが私と似ているフェリックスの加入は、チームのマシンセッティング向上に大きく貢献している。彼は豊富な経験の持ち主だ。世界中のとても多くのトップカテゴリーで戦ってきた。それがインディカーでも役立っており、今後、彼は多くの勝利を重ねていくことになるはずだ」

 初の表彰台となったローゼンクヴィストは、今シーズン中にも初優勝を達成する可能性が十分にある。

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