レッドブル・ホンダへの期待高まる。再びフェラーリを速さで凌駕するか (3ページ目)
フランスGPではスペック3パワーユニットを投入し、オーストリアGPでは新型フロントウイングを持ち込み、イギリスGPではダウンフォースを削ってストレートで稼ぐセットアップを施して、フェラーリを凌駕した。マシン挙動がよくなったため、低速コーナーからの立ち上がりでは素早いスロットルワークが可能になり、ドライバーがラグ(出力の遅れ)を感じるところまで来た。
「マシンのグリップレベルがステップアップしたからね」(フェルスタッペン)
ホンダはドライバーから実際の症状を詳細に聞き取り、セッティングを煮詰め直してホッケンハイムにやってきた。ホンダもそれだけスペック3の運用面で進歩してきたということだ。
「僕らがフェラーリより速いと言うなら、常に0.2〜0.3秒は速くなきゃいけないけど、そこまでではない。彼らはストレートがとても速いし、オーバーテイクするのは簡単ではないよ。でも、僕らは常に彼らと戦えるレベルにある」
フェルスタッペンは、フェラーリに勝つことが目標ではないと語る。メルセデスAMGをも上回る速さを手に入れ、常に優勝することが最終目標なのだから、フェラーリに勝つか勝てないかはさして重要ではないというわけだ。
しかし、夏休み前の2週連戦(ドイツGP、ハンガリーGP)を最良の形で終え、シーズン後半戦の飛躍へつなげたいのは当然の願いでもある。
田辺テクニカルディレクターは、こう語る。
「夏休み前にキッチリと終わって、勢いを保って後半戦を戦っていきたい。シーズン前半戦のシメとなるこの2連戦は、全力で戦っていきたいと思っています」
ドイツGPは、ひと筋縄ではいかない週末になりそうだ。そんななかでこそ、レッドブル・ホンダの強さが発揮されそうな期待が高まっている。
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