2019.07.27

天候に翻弄されたインディカー。
大雨、雷、竜巻で観客は命がけ

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano
  • 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 インディカー・シリーズ第12戦、アイオワの8分の7マイルオーバルでのレースは、雨によってスタートが4時間半以上も遅れた。オーバルでのレースは雨だと行なうことができない。雨の降り具合によって路面が急激に変化し、1周前とでさえコンディションが大きく変わることがあるため、高速のレースはリスクが高すぎるのだ。

 この時期のアメリカの日没は、デイライトセービング(サマータイム)採用で8時半過ぎ。予定の夕方6時にスタートすると、陽のあるにうちにレースは終わるはずだった。ところが、大きな雨雲が通過。懸命の乾燥作業が行なわれたあと、完全に太陽が沈んでからスタートが切られ、最初から最後まで照明を浴びながら争われる完全なるナイトレースとなった。

スタートが遅れ、深夜のレースとなったアイオワでのインディカー プラクティスも予選も日中だったため、誰もが暑いなかでしか走っていなかったが、レースは気温、路面温度とも想定していたより断然低いコンディションでの戦いになった。さらに、今回からルールの変更でターボのブースト圧が上げられ、マシンはパワフルになっている。こういう状況下での戦いで強いのはエンジニアリングのしっかりしたチーム。チーム・ペンスキーが有利だろうと予想されたが、それが当たった。

 雨が降ると観客も大変だ。雷が発生するとスタンドで待つことは禁止されるため、グランドスタンドの下で雨宿り、となる。1、2時間ならワイワイと過ごしていられるが、今回は雨も強く、「自分の車に戻ってください」とアナウンスがあった。暴風・大雨・雷の3点セットで、スタンドの下も危険と判断されたためだ。

 悪天候といえば、2016年のテキサスは雨で延期になった。午後2時過ぎにスタートの予定だったが、夜中近くまでレース開始を待って粘った結果、23時半に延期が発表された。今回より長い9時間超の待ち時間となったのに、結局、レースのスタートは切られなかった。翌日、レースはスタートしたが、71周でまた雨……。72周目からは約2カ月後に開催されることになった。