F1注目ポイント10選。ハミルトン6冠でシューマッハの記録に王手? (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 ただ、斬新なアイデアをコース上で実用化するためには技術力が必要だ。それらの採用にはリスクもあり、リスクテイクをいとわないチーム風土が欠かせない。コンサバ路線のチームには無理な話で、こうしたチャンスに賭けることができるチームは限られている。

 なお、新規定はすべてオーバーテイクを増加させるためである。マシンが生み出す気流渦や乱気流を減らし、後続車両に当たる気流を安定させるのが狙いだ。そうすることで、これまで以上に前走車に接近してコーナリングすることができるようになる。ストレートでスリップストリームに入り、次のブレーキングで勝負を仕掛けることができるようになるだろう。

 実際に空力的効果は、それほどないのではないかと見られている。だが、そこに新型リアウイングで効果が拡大するDRS(※)を組み合わせることで、少なからずオーバーテイクシーンの増加が見られることは確かだ。

※DRS=Drag Reduction Systemの略。追い抜きをしやすくなるドラッグ削減システム/ダウンフォース抑制システム。

(2)ルイス・ハミルトンの6冠は開幕早々に当確ランプ?

 いきなり2019年シーズンへの期待を削ぐような予想で申し訳ないが、今年のドライバーズチャンピオンの最有力候補は、やはりルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)だ。

 昨年の強さを見るかぎり、ハミルトンはドライビング面でも、メンタル面でも、もっとも強く安定している。さらに、ハミルトンをサポートするチーム力もライバルと比べて圧倒的だ。

 2017年の後半から始めたヴィーガン生活がフィットしているだけでなく、ニコ・ロズベルグという強敵が姿を消した一方、新加入のバルテリ・ボッタスの実力はハミルトンにまだ及ばない。そんな状況だけに、ハミルトンはチーム内でプレッシャーを感じることなく、生き生きと「外のライバル」たちとの戦いに専念することができるからだ。

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