ドゥカティがワンツー。ドヴィツィオーゾが独走のマルケスに「待った!」 (2ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

 そして日曜午後の決勝には、ドヴィツィオーゾ、ロレンソともに予定どおり、このニューフェアリングで臨んだ。

 ポールポジションスタートのドヴィツィオーゾは、序盤からロレンソやマルケスたちとトップグループを構成し、レースを引っ張る形で周回が推移していった。最後はこの3台が抜け出し、ひとつふたつの波乱が生じそうな雰囲気を漂わせつつも、最後まできっちりと抑え切ったドヴィツィオーゾがトップでゴールラインを通過した。

 25点を加算したドヴィツィオーゾは、ランキング3位に浮上。首位を快走するマルケスと77ポイントあった差を少し詰めて68ポイントにした。

「今年はどのコースでも去年より速く走れている。今回のレースウィークは、去年よりもバイクがいいことを確認できた」と話す一方で、「問題は3戦(第4戦・スペインGP、第5戦・フランスGP、第7戦・カタルーニャGP)でノーポイントだったこと。その3戦はいずれも表彰台争いをしていただけに、失ったポイントは多い」と痛恨の前半戦を振り返る。

 これはあくまで計算上の話だが、今後の9戦でドヴィツィオーゾが全戦優勝を果たしたとしても、マルケスが毎戦2位でゴールし続けていれば、最終戦を待たずにマルケスの年間総合優勝が確定することになる。

「目標は毎戦しっかりとレースを終えること」と決勝後に話したマルケスは、この戦況とシーズンの推移を踏まえていることは間違いなく、その意味では、シーズン後半戦の趨勢(すうせい)は一戦を経るごとにマルケスがチャンピオンの地固めをしていく展開になるのかもしれない。

 ただし、各決勝レースの戦いはドヴィツィオーゾやロレンソが高い戦闘力を発揮している分だけ、さらに緊張の度合いを増していくことにもなるだろう。

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