レクサス勢の名門トムス、若手2人で8年ぶりにスーパーGT総合優勝 (3ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 8ポイント差のランキング3位につけている松田/クインタレッリ組は、2014年と2015年に2年連続でチャンピオンに輝いた名コンビだ。また、クインタレッリは史上最多となる通算4度のスーパーGT王者に輝いている。チャンピオンへの挑戦が初めてという平川/キャシディ組とは対照的に、松田とクインタレッリはこれまで何度も総合優勝争いを経験している。予選後の記者会見で松田は「優勝を狙いにいく」と落ち着いた表情で語り、逆転でのチャンピオン獲得に意気込みを見せていた。

 一方、37号車の予選はどうだったか。Q1はキャシディが走って順当に突破し、続くQ2は平川が担当。しかし23号車だけでなく、6ポイント差でランキング2位につけるナンバー6のWAKO'S 4CR LC500(大嶋和也/アンドレア・カルダレッリ)にも先行も許し、3番グリッドとなってしまった。

「できる範囲でベストは尽くせたかなと思います。でも、ちょっと日産勢の動きが恐いです」

 予選を終えた平川は、ポールポジションを獲得した23号車の存在を警戒していた。

 シーズン序盤はレクサス勢が圧倒的な強さを発揮していたが、最後の最後になって流れは日産勢に傾き始めたのか――。予選後のサーキットにはそんな空気も漂ったが、初の年間王者を目指す若いふたりは浮き足立つことなく、圧し掛かるプレッシャーに挑んでいった。

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