来季のF1昇格あるか。注目のピエール・ガスリーがついにSF初優勝 (2ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 そして迎えた第4戦・もてぎ。彼にとっては初めてのサーキットだけに、少しでも走り込んでコースを覚えておきたかった。だが、金曜日のセッションでペースを上げ始めた1周目、突如ブレーキトラブルが発生してクラッシュを喫してしまう。金曜日は走ることができなくなり、貴重な1時間の走行時間を失うことになった。

 昨年のストフェル・バンドーン(現マクラーレン・ホンダ)と同じように、スーパーフォーミュラをF1へのステップアップの足がかりにしたい――。ガスリーはそういう想いで日本にやってきた。また、8月下旬のこの時期は、F1界では来季に向けた契約交渉が進んでいる真っ最中。思うように結果の出ていないガスリーとしては、第4戦で好成績を残してF1界にアピールにしたいところだ。しかし、それがいきなりのマシントラブル。さすがにガスリーの表情にも焦りや苛立ちが見られた。

「本格的にペースを上げた1周目にブレーキに問題が出て、金曜日はクラッシュしてしまった。初めてのコースだったから、しっかり走り込みたかったけど......。気持ちを切り替えて次の日に臨むことにしたけど、土曜朝のフリー走行は限られた時間でたくさんのことをしなければいけなかった。だから、この週末は大変だったよ」

 ガスリーは今回も苦しい週末になるかと思われた。だが、ここから彼は底力を発揮していく。

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