来季のF1昇格あるか。注目のピエール・ガスリーがついにSF初優勝 (3ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 上位14台に絞られる予選Q1は、開始直後から雨が降り出すコンディション。スリックタイヤでタイムアタックできる時間は限られていた。しかし、ガスリーはその少ないチャンスで好タイムを叩き出して5番手をマーク。Q2以降は悪天候により日曜の朝に順延されたが、ここでもガスリーは流れを掴んで上位につけ、最終的に4番手で予選を終えた。

 第4戦の決勝は通常とは異なり、2スペックのスリックタイヤが用意されて、ハイグリップだが早めに劣化してしまうソフトタイヤが導入された。ガスリーより前の3台はスタート時にソフトタイヤをチョイスし、序盤からリードを広げていく作戦を選択。対するガスリーは、使い慣れているミディアムタイヤを選んだ(レース中のタイヤ交換が義務付けられ、ソフト、ミディアムとも最低1回は使用しなければならない)。

「他の選手がソフトタイヤを選んでいるのは知っていたけど、実際にソフトタイヤのデグラデーション(性能低下)がどのくらいになるのかわからなかったし、自分はミディアムでのロングランのほうが自信があったから、ミディアムでスタートしたいと希望したんだ」

 決勝のスタートが切られると、たしかにソフトタイヤを履いた3人がレースを先行した。だが、ガスリーのレースペースは2番手の野尻智紀(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)や3番手の山下健太(KONDO RACING)と変わらない1分36秒台をマークする。そして上位陣がタイヤの消耗で先にピットストップすると、その間にリードを蓄えて28周目にピットストップを行ない、コースに復帰したときには野尻と山下を逆転。さらにトップを独走していた小林可夢偉(KCMG)がタイヤ交換に手間取ったこともあり、レース後半でガスリーがトップに躍り出た。

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