バトンと可夢偉がスーパーGT鈴鹿に挑む。マシンに乗った感想は? (2ページ目)

  • 吉田知弘●取材・文 text by Yoshita Tomohiro
  • 吉田成信●撮影 photo by Yoshida Shigenobu

 バトンは2日間で63周を走り込み、ベストタイムは初日の最後に記録した1分49秒283。チームメイトやライバルたちと比べても1秒以内の差で、前回テストと合わせて合計100周ほどしか経験していないにもかかわらず、彼らとまったく遜色のないタイムを記録している。ロングランテストでも、GT300クラスを追い抜きながらの周回があったものの、驚くほど安定していたのが印象的だった。

「すごくポジティブなテストだったよ。前回は『少し乗っては休んで』という形だったから、クルマに慣れるのに時間がかかった。でも、今回はたくさん乗れていいフィーリングも得られることができたし、自信にもつながったよ。まだ改善しなければいけないことがたくさんあるけど、確実に進歩できたと思う」

 テスト後にバトンはそう語ったが、同時に新たな課題もあった。それは「ドライバー交代」だ。

 スーパーGTでは決勝レース中、必ずドライバー交代を行なわなければならない。しかも、鈴鹿1000kmの場合は途中に4~5回のピットストップがあるため、バトンは短時間でマシンを乗り降りできるようになる必要があるのだ。

 前回の6月上旬のテストでは、ドライバー交代の練習はまったくできていなかったという。それだけに、チーム無限の手塚長孝監督は「今回は練習できてよかったです」と安堵の表情を浮かべていた。

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