琢磨が速い! インディ500以降もトップバトルで年間3位をキープ (2ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 ペンスキー勢は、1回目のピットストップを終えたところでレースのイニシアチブを握った。予選9位だったウィル・パワーが先頭を走り、予選12位だったシモン・パジェノーが2番手につけると、彼らはチームメイト同士によるポジション争いを行なわず、縦に一列に並んで淡々と周回を重ねていく。予選1位だったスコット・ディクソン(チップ・ガナッシ・レーシング)のマシンも、僚友トニー・カナーン(同)のマシンも決して悪い仕上がりではなかったが、ペンスキーの2台を抜くことができないまま、レースはハイペースで進んでいった。

 琢磨はレース前、「スタートで順位を上げ、上位にポジションを保ったまま終盤戦の勝負に備えたい」と語っていたが、スタートしてしばらくするとポジションを落としていった。気温や路面温度の高いレース序盤、マシンは安定感を欠いていた。そこへ思わぬ不運も襲いかかる。

 琢磨はデトロイトのレース2でポールポジションだったことから、今回のレースでは真っすぐピットアウトできるメリットを持つ先頭のピットがあてがわれていたが、これが逆に仇となった。41周目に行なった1回目のピットストップで、ジェームズ・ヒンチクリフ(シュミット・ピーターソン・モータースポーツ)がピットアウトで焦ってスピン。エリオ・カストロネベス(チーム・ペンスキー)を巻き込み、2台が絡み合ったまま琢磨のマシンに突っ込んできたのだ。

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