ザウバーのF1シートは見えている。松下信治と福住仁嶺がダブル優勝 (8ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 今年からFIA選手権となったF2では、表彰式だけでなく、その後のトップ3会見もF1とまったく同じ場所で行なわれるようになった。F1という世界は着実に近づいてきている。

 しかし、松下は周囲の雑音を跳ねのけ、自分のレースだけに集中している。

「(ホンダのカスタマー供給が決まっても)何も変わりません。僕は目の前のレースで勝つことしか考えていませんから」

 今現在、F1で『君が代』が流れる可能性はない。仮にマクラーレン・ホンダが勝とうとも、流れるのはドライバーの国歌と、マクラーレンを讃えるイギリス国歌だけだ。

 結果で速さを証明すれば、自然とF1への道は開ける。ヨーロッパで戦う彼らは今、そういう場所にいる。彼らのうちの誰かがF1へと昇格し、1日でも早く『君が代』を聴かせてくれる日が来てほしい。バルセロナでその旋律を聴きながら、そう思わずにはいられなかった。

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