ザウバーのF1シートは見えている。松下信治と福住仁嶺がダブル優勝 (5ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

参戦2年目でGP3初優勝を遂げ、大喜びする福住仁嶺参戦2年目でGP3初優勝を遂げ、大喜びする福住仁嶺 一方、GP3で2年目のシーズンを迎える福住仁嶺(ふくずみ・にれい/20歳)も、今年は見違えるような成長を遂げている。

 昨年の福住は、所属チームARTグランプリ(フランス)の4人のなかで下位にいることが少なくなかった。

「ひとつうまくいかないことがあると、どんどん弱気になってしまうクセがあるのはわかっているんですが、去年はそれをうまくコントロールすることができませんでした」

 マクラーレンのシミュレーターを使ったドライバー評価プログラムでは、もっとも高い評価を得たのは福住だったという。ただしアタック中にミスを犯すと、それをずっと引きずってしまうという精神的な弱さも指摘された。トップドライバーともなれば、たとえひとつのコーナーでミスを犯しても、次のコーナーではもう気持ちを切り替えて完璧な走りができるものだというが、福住の場合はミスを意識しすぎて立て直すことができないのだという。

 しかし冬の間にトレーニングを積み、マクラーレンやチームのシミュレーターで経験も重ね、パリやイギリスでの生活で1年前にはまったく話すことができなかった英語もずいぶんと上達し、エンジニアたちとのコミュニケーションも格段に進歩した。

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