富士スピードウェイ50周年に、幻のF1マシンが時空を超えて現れた (4ページ目)

  • 川喜田研●取材・文 text by Kawakita Ken
  • 村上庄吾●撮影 photo by Murakami Shogo

 グランドスタンドでデモランに熱い視線を送っていた50代の男性は、「自分は76年の時はまだ子供で、ナマでF1を見に来たくても来られなかった。こうして、当時のマシンが富士を走る姿を見ることができるなんて、ともかく感動で胸がいっぱいです」と語る。

ニキ・ラウダが駆ったフェラーリ312T2。1976年の富士では雨を嫌ったラウダがわずか2周でリタイア。カーナンバー11は1977年につけたものだニキ・ラウダが駆ったフェラーリ312T2。1976年の富士では雨を嫌ったラウダがわずか2周でリタイア。カーナンバー11は1977年につけたものだ

 フェスではF1以外にも国内外の各カテゴリーを彩った歴代レーシングマシンが数多く展示されたり、走行したり。日本のモータースポーツが歩んできた50年の歴史の中で繰り広げられた、数々の名勝負や伝説が「時代絵巻」のように再現された。こうして、モータースポーツは世代から世代へと引き継がれ、着実に「年輪」を刻んでいく。大きな節目を迎えた富士の麓の素晴らしいサーキットがあったからこそ、自動車レースへの愛がひとつの「文化」して定着してきたということを、あらためて感じた。

小島エンジニアリングが製作した国産F1マシンKE007。長谷見昌弘のドライブで予選から速さを見せたが、直後にクラッシュ。必死の修復で臨んだレースは11位に終わった小島エンジニアリングが製作した国産F1マシンKE007。長谷見昌弘のドライブで予選から速さを見せたが、直後にクラッシュ。必死の修復で臨んだレースは11位に終わった
【フォトギャラリー】 富士スピードウェイ50周年に、幻のF1マシンが時空を超えて現れた>>

■モータースポーツ 記事一覧>>

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る