マジで速いフェラーリをメルセデスも警戒。ホンダは、はるか後方に...
バルセロナの快晴の空の下、フェラーリのサインボードには「L65」の文字が掲げられた。メインストレートを通過するマシンに「残り65周」、つまりこれからぶっ続けのフルレースシミュレーションを行なうことを示すサインだ。
バルセロナ合同テストで最速タイムを叩き出したのはフェラーリ 計8日間にわたって行なわれてきた2017年の開幕前テストの「最後の2日間」。コース上ではいくつものチームがこのレースシミュレーションを行ない、バルセロナは疑似レースの様相を呈していた。
連日タイムシートの上では驚異的な最速タイムを叩き出していたフェラーリだったが、余計なバラスト(重り)を降ろし、規定重量以下にしてブラフをかけているのではないかという声も少なからずあった。スポンサー獲得のためや社内の政治的理由から、非公式セッションである開幕前のテストでは昔からしばしば行なわれてきたことだったからだ。たとえば10kg軽くすれば、ラップタイムは0.3秒ほど速くなる。逆に、ライバルを油断させるため意図的に燃料を多く積んで"三味線を弾く"ケースもある。
しかし、フルレースシミュレーションともなれば、そんなブラフは通用しない。規定違反状態のマシンで1時間半にも及ぶ時間を丸々無駄にするような馬鹿げたことはできず、そもそもタンクいっぱいの燃料を搭載して走り出すしかないからだ。
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