小林可夢偉、今季の抱負。クルマと私生活、両方でいい「彼女」を探す (3ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki
  • 桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

 我々の目に見えないところで、可夢偉はさまざまな試行錯誤をしてきた。セットアップを完全に変えてみたり、はたまた2台のマシンで同じセットアップにしてみたり、ライバルチームの動向を探ってみたり......。

 そんななかで、何かが当たっていれば可夢偉が言うように、そこからすべてがスムーズに回っていった可能性もあったのだろうか。しかし、可夢偉は言下に否定した。

「いや、なかったと思います、あのクルマでは。クルマ的には、何をどうがんばっても勝てないだろうな、というところにしかいなかったから」

 国内復帰初年度の2015年には一度もマシンを壊さなかった可夢偉が、同じマシンをドライブした2016年は何度もコースから飛び出し、クラッシュを喫した。

「たぶん、自分がクルマに乗れてなかったんでしょうね。自分が好きなタイプのクルマじゃないし、そこに合わせきれなかったかなとも思うし。そんな攻めすぎた感覚もないのに、ふとしたときに気がついたら、もうどうしようもなくなってるっていうのが多かったから」

 最後まで原因を究明できず、モヤモヤしたものを抱えたままシーズンを終えることになった可夢偉は、シーズン後のテストで他チームのマシンをドライブさせてくれと直訴し、これが認められて初めて8号車以外のステアリングを握った。

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