佐藤琢磨がホンダの強豪チームに移籍。インディ2勝目がグッと近づく (3ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano  松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 そして、想定を遥かに上回る戦力格差がついたことで、インディカーはマニュファクチャラー間の空力競争の廃止を決定。2018年から空力はワンメイクに戻すことに決めたのはいいが、2017年シーズンは移行期間として空力開発を凍結することになった。つまり、来季は2016年とまったく同じ仕様で戦われることに決まったのだ。ホンダは2016年に空力の性能を向上させたが、まだまだシボレーの優位は動かない。琢磨は強豪チームに入りはしたものの、そうそう簡単に勝ち星を重ねられる状況とは言えない。

 それでもホンダの空力パッケージは、超高速オーバルではわずかながら有利と言われ、またストリートコースでなら空力面の影響力は比較的小さい。それらのコースにおいて、2017年の琢磨はかつてない大きさのチャンスを手にすることになる。

「2017年の目標は、まずはキャリア2勝目を挙げること。そして、その後は1シーズン中に複数回の優勝を飾ることです」と、琢磨は話している。これは十分に実現可能な目標だ。

 開幕戦は3月の中旬。フロリダ州セント・ピーターズバーグのストリートは、琢磨もアンドレッティ・オートスポートも得意とするコース。いきなりの大活躍が見られることを期待したい。

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