さらばヤマハ。有終の美を飾ったロレンソが忘れられない2つのレース (4ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira
  • 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

「あのレースも別格だった。手術から30時間で復帰してトップファイブで終えるという、歴史上おそらくあり得なかったことをやってのけたんだ。あれも感無量のレースだったよ」

 来シーズンのロレンソは、長年過ごしたヤマハを離れて、ドゥカティ・ファクトリーへ移籍する。チームメイトはアンドレア・ドヴィツィオーゾ。125ccや250cc時代からずっと異なるメーカー同士でしのぎを削ってきた好敵手だが、来シーズンは初めてチームメイトになる。ロレンソを迎えるドヴィツィオーゾは、こんな歓迎コメントを述べている。

「125や250時代からずっとライバル陣営として戦ってきて、今回初めて同じチームになるのは、ちょっと奇妙な感じもするけど面白いね。ホルヘのようなチャンピオンとチーム内で争えるのは、自分にとってもいい刺激になるよ。彼の乗り方はヤマハの特性とすごく合っていたけど、まったく違う特性のドゥカティにどんなふうに合わせてくるのか、興味深いところだね」

 全18戦の長いシーズンを日曜日に終えたバレンシア・サーキットでは、1日の休日を置いて火曜日から2017年シーズンに向けたテストが始まる。ホルヘ・ロレンソの新しい挑戦も、この日にスタートする。

■モータースポーツ 記事一覧>>

4 / 4

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る