インディカーの年間王者はパジェノー。佐藤琢磨の来季はどうなる? (2ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano  松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 ポールからトップを守って1周目のターン1へと飛び込んだ後は、後続に付け入る隙を一切与えなかった。序盤戦は11周目で5秒以上の差を築き上げ、終盤は2番手に浮上したグレアム・レイホール(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング)との間隔をコントロールしてゴール。プレッシャーに押し潰されることなく、最後までノーミスで走り切った。

 パワーの2度目のタイトル獲得の夢は、レースが折り返し点を迎える前にギヤボックスのトラブルで潰(つい)えた。パジェノーにも不運が襲いかかる可能性はあるため、ピットで修理を施したマシンでレースに復帰したパワーだったが、結果は20位でゴールとなった。

 結局、パジェノーは2位に3秒以上の差をつけて悠々とチェッカーフラッグを受け、コクピットの中で何度もガッツポーズを作った。コースの途中で止まり、マシンの上に立ってファンに喜びをアピール。ビクトリーレーンでもガッツポーツが幾度となく飛び出した。85周のレースで76周をリード。ボーナスポイントも全部稼いでの完全勝利によってチャンピオン・トロフィーを手に入れたのだ。

 そのパジェノーは語る。

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