佐藤琢磨が「メチャクチャ速い」状態でインディカー最終戦へ (4ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

「終盤にチームが採用した作戦は正しく、ライバルたちが燃費セーブに陥っていたのに対し、自分たちはチャージができる状況でした。あと2周という時点でパジェノーの背後に迫り、ターン7での脱出を有利にするために通常よりインから進入したんですが、タイヤかすに乗ってスピン。シーズンベストに並ぶ好結果が得られるところだったのに、レースをまとめ上げることができなかった。とても悔しいし、スポンサーやメカニックたちに申し訳ない」と、レース後の琢磨は語った。

 ショートオーバルとアベレージ速度が大きく変わらないという異次元のスピードを誇る新生ワトキンス・グレンで、琢磨とAJ・フォイト・レーシングは、ロードコース用セッティングがまた一段レベルアップしたことを体感した。まだ完全に満足のいくレベルまでそれをファインチューニングすることはできていないが、ロードアメリカで得たヒントを基に、ミッドオハイオでの経験を重ね、ワトキンス・グレンで更なる手応えをつかんだ。

 ワトキンス・グレンでの琢磨は新たなモチベーションを獲得していた。伝統も備えた新生コースで行なわれるレースで高いパフォーマンスを発揮し、好結果を手に入れようと意気込んでいた。それがわずかに大き過ぎたのか、予選と決勝の両方でのスピンに繋がった。

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