「ウイリアムズに勝った」。新ユニット投入でアロンソも自信復活 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 900馬力を超えるような今のF1のパワーユニットでは、20~30馬力の向上をドライバーが感じ取るのは難しい。それも、1ヶ月前と異なるサーキット、異なる空力パッケージで走っているのだから、正確な比較など不可能なのだ。

「2009年に向けたKERS(運動エネルギー回生システム)のテストでも、60kW(約80馬力)の差は、ドライバーにはわからなかったくらいですから」

 しかし、その長谷川総責任者の不安をよそに、走り始めたドライバーたちからは好感触が返ってきた。フリー走行用のモードは従来と同じ出力に設定されていたが、レースモードを試すとその効果が実感できたと、ジェンソン・バトンは評価した。

「プラクティスモードとレースモードを比較してもらって、プラクティスモードは従来とほぼ同じ馬力だったんですけど、ジェンソンは、『プラクティスモードからレースモードに変えたときの違いは、今回のパワーユニットのほうが明らかに大きいよ』というふうに評価してくれましたね。『今回のパワーユニットのスペックがよくなったことを表しているね』と言ってくれたので、そこは非常に勇気づけられました。ERS(エネルギー回生システム)のディプロイメント(回生)も遜色ないどころか、オールージュ前後の全開区間では他車よりも長いくらいだとジェンソンは評価してくれました」(長谷川総責任者)

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