F1後半戦。「紳士をやめた」ロズベルグがハミルトンに反撃開始 (2ページ目)

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki

 母国ドイツGPでもロズベルグはスタートのミスで出遅れ、レッドブル勢との戦いに競り勝つことができなかった。地元戦で緊張からスタート時のクラッチ操作をミスしたり、スペインGPではスタート直前にパワーユニットの設定変更をミスして失速するなど、極限状態でのメンタル面の弱さを露呈している。

 その結果が、両者の獲得ポイントの差と、なにより人々の脳裏に刷り込まれた「ルイスのほうが強い」というイメージなのだ。

 だが、そのロズベルグが変わりつつある、という見方もできる。

 スペインGPのオープニングラップでの同士討ちなど、ハミルトンとロズベルグの騒動はこれまでに何度か起きてきた。そのたびにロズベルグは「もう終わったこと」と、チーム内での話し合いとチームの方針を受け容れる姿勢を示してきた。

 しかし、オーストリアGPの最終ラップの接触では違った。スチュワード(競技会審査委員会)からはペナルティを科せられたが、「ペナルティは受け容れるが、僕は悪くない」と決して自分の非を認めようとはしなかった。押し出したのではなく、自分は次のストレートに向けて立ち上がりのラインを変えただけ。そこに突っ込んできたのはルイスのほうだと。

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