序盤戦で見えたシボレー勢優位。ホンダは琢磨&レイホールが猛追中 (3ページ目)

  • 天野雅彦●文 text by Masahiko Jack Amano 松本浩明●写真 photo by Hiroaki Matsumoto

 ただ、ペンスキーの4人全員がチャンピオン候補なのに対して、ガナッシはハッキリ言えばディクソンだけ。しかし、逆にそうであることが、チーム内に不要なフリクションが生まれる心配をなくしている。去年、ペンスキーがタイトルを逃したのは、戦力が分散して、チームメイトがお互いのポイントを奪い合う状況に陥ってしまったからだった。

 ペンスキーとガナッシという2本柱が実力を発揮することで、シボレーはホンダに対して大きな優位に立っている。

 そもそもこの2強の存在で優位にあったシボレーは、昨シーズンに導入されたエアロキットでもリードを手に入れた。彼らは性能の高いエアロキットに磨きをかけ、さらに差を広げて2016年シーズンを迎えたといえる。そして今、シボレーはエンジンでもアドバンテージを築き上げようとしているようだ。

 決勝レースを有利に戦うには、予選で上位につけるのが一番の近道。彼らはそれを実現するために、エンジンをコントロールするプログラムを改善、予選でホンダV6ターボを凌ぐパワーを引き出しているようなのだ。フェニックスのオーバルで予選10番手までを独占したことが示すように、シボレーが空力で優位にあるのは間違いないが、エンジン、それも主に予選モードでの性能でもホンダに差をつけている可能性が高い。今年の予選結果を見渡すと、シボレーはセントピータースバーグのストリートと常設ロードコースのバーミンガムで予選トップ5を独占し、ロングビーチのストリートでも予選トップ6を手にしていた。

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