2015.09.09

【F1】ホンダ総責任者が語る「ストレートで伸びない3つの理由」

  • 米家峰起●取材・文 text by Yoneya Mineoki  桜井淳雄●撮影 photo by Sakurai Atsuo(BOOZY.CO)

イタリアGPを制したメルセデスAMGのルイス・ハミルトン(中央) そして、ストレートが遅いもうひとつの理由は、車体の特性にあった。マクラーレン・ホンダMP4-30は、空気抵抗が大きいのだという。

 ベルギーGPでは、やや大きなリアウイングをつけて走ったものの使いこなせず、土曜から薄いウイングに換えてセットアップ不足のままで予選・決勝を戦うことになった。その反省から、今回のイタリアGPでは初日から極めて薄いリアウイングを装着したが、その代わりにリアの車高を上げ、車体全体をウイングのように前傾させて走っていた。車体そのもののダウンフォースが大きく、高速コーナーを速く走ることができる代わりに、空気抵抗も大きく、ストレートスピードは伸びない。コーナーが速く、ストレートが遅いというのは、ある意味で当たり前のことだ。

 さらにもうひとつは、リアグリップ不足のためにコーナー出口でトラクションがかけられず、ドライバーがスロットルを早く踏めない……という理由もあった。

「アンダーステア傾向だから、フロントを強くする――。そうすると(前後バランスとして)リアが足りなくなってリアのメカニカルグリップが弱くなり、ドライバーが自分の足でトラクションの限界点を探りながら(スロットルを)踏んでいかなければならないので、どうしても立ち上がりが遅くなってしまうわけです」

 パワーユニット側のディプロイ不足と、車体側の性能不足。その両方が組み合わさった結果が、イタリアGPの惨敗だった。