【MotoGP】スペイン人ライダーが表彰台独占。日本人選手は低迷から抜け出せるか? (3ページ目)

  • 西村章●取材・文 text by Nishimura Akira 竹内秀信●撮影 photo by Takeuchi Hidenobu

「8、9歳からミニバイクレースを始めて、スペイン選手権へ進み、当時あそこで戦っていた自分たちが今、皆揃ってここ(グランプリ)へやってきた。なかなか理解できないかもしれないけれど、世界は狭いな、というのが実感」

 3位のバウティスタも、この言葉にうなずいた。

「ダニの言うとおり、これは今、突然に始まったことじゃない。15年以上前から、ぼくらはミニバイクやスペイン選手権で競い合ってきた。世界は狭い、というダニの言葉はそのとおりで、スペインでの当時の積み重ねが今につながっているのだと思う」

 彼らの発言からうかがえるのは、ライバルに勝つことだけを考えてしゃにむに戦い続け、上へ上へとさらなる高みを目指して競ってきた結果、今の場所にたどり着いた、というがむしゃらな貪欲さと強烈なライバル意識、そして勝利への渇望だ。

 はたして現在の日本のレース環境に、彼らのような――あるいはおそらくかつての日本でもそうであったような―― 一触即発の熾烈な緊張関係は張り詰めているだろうか。

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