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【競馬予想】GI大阪杯、シックスペンスは中距離路線の王座に君臨できる器なのか

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo

 今年も好メンバーが集ったGI大阪杯(4月6日/阪神・芝2000m)。なかでも注目は、この路線の新たなスター候補として期待されているシックスペンス(牡4歳)だ。

前走の中山記念でも強い競馬を見せたシックスペンス photo by Sankei Visual前走の中山記念でも強い競馬を見せたシックスペンス photo by Sankei Visualこの記事に関連する写真を見る ここまで6戦5勝。距離適性に加え、いくつかの不運や不利も重なった昨年のGI日本ダービー(東京・芝2400m)9着惨敗を除けば、5戦負けなしである。

 そのうち重賞、GII戦を3つ勝っている。GI制覇目前と言っていい。

 そう思えるのも、前走のGII中山記念(3月2日/中山・芝1800m)の勝ちっぷりにある。

 実はこの馬、走る馬によく見られるようにツメに不安を抱えている。昨秋も、当初はGII毎日王冠(東京・芝1800m)を快勝したあと、GIマイルCS(京都・芝1600m)に向かう予定だったが、持病とも言えるツメの不安が再発。そのプランは白紙となった。

 それゆえ、中山記念は毎日王冠後、およそ5カ月の休養を強いられての一戦となった。しかも、競走馬のツメの不安はなかなか解消されないため、その間、シックスペンスの調教は思いどおりには進まなかったという。

 結果、レース直前の状態は決して万全とは言えなかった。おかげで、ファンや関係者の間では「今回は(狙い目として)見送り」という声も上がっていた。事実、前々走の毎日王冠でプラス14kgだった馬体重は、中山記念でさらに10kg増。それを「余裕残し」と見れば、そうした評価が下されるのも致し方なかった。

 だが、ふたを開けてみれば、そういった心配や不安を一掃。直線、好位から先に抜け出したエコロヴァルツが粘り込みを図るなか、同馬との差を一完歩ずつ詰めてゴール板できっちりかわした。

 メンバー最速の上がり33秒9をマーク。勝ち時計も1分44秒8と、中山・芝1800mのレコードを記録した。

 いくつかの不安を抱えてのこの快勝劇は、まともに走ったらどのくらい強いのか、と思わせる。GIを勝つための準備はもはや整った、と言っていいのではないか。

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