日本ダービーには「セオリー」がある――穴党記者が激走を期待する2頭の伏兵とは? (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu

 松田記者が推奨するもう1頭は、コスモキュランダ(牡3歳)だ。

「GII弥生賞(3月3日/中山・芝2000m)は6番人気で勝利し、皐月賞も7番人気ながら2着と好走。走っても、走っても人気にならない不思議な馬で、それだけの実績をもってしても、おそらく今回も伏兵の域を出ないでしょうが、同馬を管理する加藤士津八厩舎の伊藤祥徳調教助手は、『距離延長も(コースが)東京に替わるのもいい』と、ダービーの舞台設定を歓迎しています。

 キャリア8戦は出走メンバー中2番目に多い経験値。一時は出負け気味の競馬が続いていましたが、地道なゲート練習などもあって、皐月賞では中団でしっかり流れに乗っていました。

 ダービーに向けても、『中間はリカバリーもできている。皐月賞でジョッキー(ジョアン・モレイラ騎手)がこの馬の持っているもの以上を引き出してくれた。あの競馬をこなして、馬が一段上がった感じ。自分から動いても競馬ができるし、中団から前目の競馬でレースを動かしていくくらいの気持ちで走れれば』と、伊藤助手は手応えを感じているようでした。

 外をまくっていった弥生賞がレースレコードでの勝利。持続力のある末脚が持ち味です。底力を問われるダービーでも、その強みを存分に発揮できれば、再度の激走があっても驚けませんよ」

 ホースマンにとって、夢舞台である日本ダービー。今年も熾烈な争いになるのは間違いない。その白熱のレースにあって、ここに挙げた2頭がアッと驚く走りを見せても不思議ではない。

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