マイルCSでナミュールはGI馬になれるか ようやく競走馬としての「旬」を迎えた (3ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo

 次に、馬体の問題はどうか。

 3歳時、「課題は馬体を増やすこと」と言われたナミュールも、前走時には過去最高の454kgまで馬体重が増えた。このことは、単に馬体面の成長にとどまらず、精神面に及ぼす影響も大きいという。

「(ナミュールは)馬体が増えると同時に、精神的にも落ちつきが出てきました。3歳の時は素質だけで走っていたのが、ようやく今、馬体を含めていろんなことが伴ってきたという印象。競走馬として"旬"を迎えた、という感じがします」(専門紙記者)

 セリフォス(牡4歳)、シュネルマイスター(牡5歳)、ソウルラッシュ(牡5歳)......など、相手はなかなか手強い。だが、それら人気上位の面々は、強さもありながら、その一方で隙があるタイプばかり。

 今回鞍上を務める名手ライアン・ムーア騎手の手腕を借りて、その隙を突くことができれば、悲願達成のシーンは訪れるはずである。

 逸材ナミュールが"その他大勢"で終わることなく、"名牝"としてその名を残す存在になることを期待したい。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る