アンカツが選び抜いた「3歳牡馬番付」大混戦の皐月賞&ダービーで勝ち負けを演じるのはどの馬だ? (3ページ目)

  • 新山藍朗●取材・構成 text by Niiyama Airo
  • photo by Sankei Visual

 実際、弥生賞ではその期待に見事に応えてくれた。しかも、共同通信杯の時とは違って、弥生賞ではゲートを出たあと、スッと好位を取ることができた。短期間でそれだけの修正が効くのだから、素質は相当ある。

 トライアルで勝ちにいく競馬をして勝ちきった、という点も高く評価したい。その前走から、中山向きという感じもして、皐月賞では確実に上位にくると思う。

関脇:フリームファクシ(牡3歳)

(父ルーラーシップ/戦績:4戦3勝、2着1回

 未勝利戦からの3連勝でGIIIきさらぎ賞(2月5日/中京・芝2000m)を制覇。唯一の敗戦となった新馬戦も僅差の2着だった。この成績からして、世代トップレベルの能力の持ち主であることは間違いない。

 この馬の特徴は、レースがうまいこと。きさらぎ賞でもスタートしてすぐに逃げ馬の番手につけて、その位置をキープしたまま直線を迎えた。勝負どころですんなり抜け出して、後続の追撃も押さえて快勝。最後は詰め寄られたものの、抜かせずにアタマ差凌いだ。勝負根性にも秀でたものがありそうだ。

 どんなレースでも折り合いがつくのは、この時期の3歳馬には強み。非常に乗りやすそうな馬で、だからこそ、成績も安定しているのだろう。

 ただ、きさらぎ賞を含めて、そのレースぶりにはインパクトが若干欠ける。どのレースを見ても、「すごく強い」といった印象が持てなかった。ともあれ、今年のような混戦状態のなかでは、案外こういうタイプが最後浮上してくるのかもしれない。


小結:ベラジオオペラ(牡3歳)
(父ロードカナロア/戦績:3戦3勝)

 GIIスプリングS(3月19日/中山・芝1800m)を勝って、一躍クラシック候補に名乗りを挙げた。無傷の3連勝。しかも、3戦とも違う競馬場で勝っているのは好印象だ。

 また、初戦と2戦目は逃げ馬の番手につけての競馬で勝利しているのに、スプリングSでは一転、中団から差す競馬で快勝した。キャリアが浅いにもかかわらず、環境に動じることなく、レースの幅が広いのも魅力。500kg前後のしっかりとした馬体で、将来性も感じさせる。

「馬が勝ち方を知っている」と思うほど、レースがうまいし、過去3戦とも勝つべくして勝っている印象。距離にも不安がないだろうし、本番でも大崩れすることはないのではないか。

 レースがうまい分、フリームファクシと同じく「強い!」といったインパクトはやや乏しいが、その能力にこれまでの3戦で見せた以上の"奥"があるかどうか。もしあれば、非常に楽しみな存在となる。

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