高松宮記念はサクラバクシンオーの血を持つ4歳馬の「父仔制覇」に期待 対抗もスプリンターの資質を秘める良血馬 (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 トウシンマカオの血統を見ると、兄ベステンダンクが都大路S(京都・芝1800m)の勝ち馬で、母系はスペシャルウィーク、ウッドマン、ニジンスキーと日米欧の成功種牡馬が並ぶ。短距離戦といえどもスピード血統だけでGⅠを勝つことは難しく、母系にスタミナの血を持つのは好感が持てる。父仔制覇に期待したい。

 もう1頭は、キズナ産駒のダディーズビビッド(牡5歳、栗東・千田輝彦厩舎)を推す。同馬は昨年の信越S(新潟・芝1400m)など1400~1600mで4勝。1200mでは6戦して2着が2回と勝利はないが、血統はスプリンターの資質を秘めている。

 父キズナはGⅠ日本ダービー馬であり、産駒はGⅡ阪神大賞典連覇のディープボンドのようなステイヤーも出すが、GⅠ安田記念のソングラインのほか、GⅢ函館スプリントSなど芝1200m重賞を2勝したビアンフェなど、スピードタイプも少なくない。

 そして母系を見ると、いとこに有馬記念、天皇賞・秋、皐月賞を勝ったエフフォーリアや、ジャパンC、宝塚記念、ドバイデューティフリーを勝ったアドマイヤムーンがいる良血。その2頭は芝中距離戦を中心に活躍したが、アドマイヤムーンは種牡馬としてセイウンコウセイ、ファインニードルと2頭の高松宮記念勝ち馬を出している。また、母のいとこスリープレスナイトはスプリンターズSの勝ち馬。この血統背景からすれば、ダディーズビビッドが芝1200mのGⅠで好勝負をしても不思議はない。

 前走のGⅢ阪急杯(阪神・芝1400m)では、先に抜け出したアグリをゴール前で追い詰め、クビ差の2着に入っている。重賞レースには2歳時から挑戦を始め、6回目の挑戦にして初めて連に絡んだ。本格化が感じられるし、1400mのハイペースでも中団より前にポジショニングができるスピードもあるので、GⅠのペースにも対応できるはずだ。

 以上、今年の高松宮記念はビッグアーサー産駒のトウシンマカオ、キズナ産駒のダディーズビビッドの2頭に期待する。

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