堤礼実アナが改めて振り返る凱旋門賞。「日本馬への期待が薄れることはありません」 (2ページ目)

  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 レース後のさまざま論評などを見ると、レース直前に降った雨による道悪だけが敗因ではないという声が多かったですね。環境への慣れや、そもそも日本とは違う馬場への適性など、日本馬が勝つためには乗り越えなければいけない壁はいくつもあるのでしょう。

 とはいえ、そうした課題も、実際にレースを経験してみたからこそわかるもの。今回の経験から次につなげられることはたくさんあるのだろうと想像します。

 日本で強いからといって凱旋門賞に適性があるとは限らないし、裏を返せば、日本ではそんなに勝っていなくても、意外と凱旋門賞の馬場がピッタリだったという馬が出てくるのかもしれません。

 その見極めは難しいのでしょうが、そういう視点で日本の競馬を見るのも、またひとつ違った楽しみ方になるのかな、と思ったりもします。

 すごく無責任に言ってしまえば、国や育つ環境は違っても、同じ馬には変わりない。そういう意味では、日本馬にも勝てる可能性は間違いなくある。外国馬の高い壁を感じずにはいられませんが、だからといって、日本馬への期待が薄れるわけでもありません。

 今回敗れた馬たちに関わる誰もが「凱旋門賞で勝つ」という目標を諦めてはいないと思いますし、いろんなことを試し、挑み、いつか日本馬が勝ってくれることを楽しみにしています。

 その一方で、勝ったアルピニスタは本当に強かった! 雨でグチャグチャになった馬場をものともせず、跳ね上がる泥をかきわけるように力強く直線で抜けてきましたからね。牝馬ながら本当にパワーのある馬なんだな、と思わされました。

 そして、そのアルピニスタが今年のGIジャパンカップに登録。その年の凱旋門賞を制した馬を生で見られると、胸躍らせていました。

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