マーメイドSは4年連続で「軽ハンデの人気薄馬」が勝利。今年、波乱を起こしそうな馬は?

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 6月19日、阪神競馬場で3歳以上牝馬によるハンデ重賞、GⅢマーメイドS(芝2000m)が行なわれる。

 マーメイドSは近年、波乱が続いている。特に過去4年は「軽ハンデの人気薄馬」が制しており、斤量51kgで10番人気のアンドリエッテ(2018年)、同51kgで7番人気のサラス(2019年)、同50kgで7番人気のサマーセント(2020年)、同50kgで10番人気のシャムロックヒル(2021年)が勝利。1番人気の馬は6年連続で馬券圏内を外し、2019年の39万1310円を最高に、3連単は4年連続で10万円超えとなっている。

 このレースを血統的視点から分析していこう。人気薄で勝った前述の4頭の血統を見ると、3頭に共通するのが母系のアンブライドルドだ。2018年に勝ったアンドリエッテは祖母の父に、姉妹でもあるサラスとシャムロックヒルは、母の父タピットの母の父にこのアンブライドルドを持っている。

 今回、この血を持っている馬で筆者が推したいのが、斤量51.0kgのトウシンモンブラン(牝4歳、栗東・杉山晴紀厩舎)だ。

前走のテレ玉杯を勝利したトウシンモンブラン前走のテレ玉杯を勝利したトウシンモンブランこの記事に関連する写真を見る 同馬は母の父が、北米リーディングサイアーになったことのある名種牡馬エンパイアメーカーで、その父がアンブライドルド。祖母トレンドハンターはGⅢフラワーCの勝ち馬でGⅠ桜花賞でも3着に入ったことがある。昨年の「最優秀2歳牝馬」サークルオブライフや、今年のGⅢきさらぎ賞を勝ったマテンロウレオと同牝系で、勢いのあるファミリーでもある。

 父ルーラーシップの産駒はマーメイドSで1戦0勝。だが、昨年のGⅢ福島牝馬Sを勝ったディアンドル、2020年の中山牝馬Sを勝ったフェアリーポルカなど古牝馬のハンデ重賞での実績もあり、その母エアグルーヴは1997年のマーメイドS勝ち馬。また、ルーラーシップの父キングカメハメハの産駒は、2014年ディアドラマドレ、2017年マキシマムドパリと、このレースで2勝を挙げている。全体的に見て、このレース向きの血統馬と言えるだろう。

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