皐月賞を制したジオグリフ。ノド鳴りを抱えながらも陣営が秘める二冠達成への手応え (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Kyodo News

 デビュー時からノド鳴りに悩まされながらも、クラシックホースとなったジオグリフ。そうした状況にあって、勝ち星を重ねてきたことについて、厩舎スタッフはどう見ているのだろうか。関東競馬専門誌のトラックマンがその様子を伝える。

「ジオグリフは、初めての追い切り直後から『かなりきついノド鳴りの音がした』とスタッフは話しています。そのため、デビュー戦も半信半疑だったようです。

 ところが、レースに行くと『不思議とノド鳴りが気にならない走りをする』とのこと。デビューから4戦で手綱を取ったクリストフ・ルメール騎手も、『レースでは苦しそうなところがなかった』とコメントしています。

 実際、苦しいとモタれるなどの挙動が出るものですが、これまでのレースではそういったところは見られません。陣営も、現状ではノド鳴りがパフォーマンスに影響を与えていない、と考えているのではないでしょうか」

 事実、次戦のGI日本ダービー(5月29日/東京・芝2400m)に向けても、陣営はノド鳴りのことはまったく気にしていないそうだ。逆に、陣営からは前向きなコメントが聞かれるという。先述のトラックマンが続ける。

「同厩舎のイクイノックスに比べて、『ジオグリフのほうが現時点の完成度は高い』とスタッフ。折り合いにも不安がなく、『総合力に秀でた馬』と評価しています。ダービーでは、その総合力が武器になるのではないでしょうか。

 2歳時には前後のバランスが悪かったそうですが、その点も『ここにきて解消された』と聞いています。それも、皐月賞の勝利につながった要因のひとつでしょう。陣営の見立てでは、二冠達成へこれといった不安はないようです」

 激戦の皐月賞を快勝したジオグリフは、このまま世代の頂点として確固たる地位を築くことができるのか。ダービーでの走りに注目である。

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