「ウマ娘」ウオッカの重要な転換点となるヴィクトリアマイル。このレースでスランプを脱し、秋天の名勝負へ (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Kyodo News

 だが、敗れはしたものの前年の桜花賞以来となるマイル戦への出走がいい刺激となったのか、続くGI安田記念(東京・芝1600m)で1年ぶりの勝利を果たす。そして、秋にはダイワスカーレットとの最後の直接対決となる天皇賞・秋(東京・芝2000m)で歴史的な好勝負の末に、2cmという僅かな差でライバルを下し、その後の活躍へと繋げた。

 ゲーム中でも、3歳時にあたるクラシック級での有馬記念出走のあと、負けを受け入れることに慣れすぎた自分を省みた末、自身の進む道としてヴィクトリアマイルを目標に据える場面がある。そしてそれは、ウオッカのストーリーのなかで重要な転換点となっている。

 天皇賞・秋でダイワスカーレットにクラシックの雪辱を果たしたウオッカは、5歳となり、最大の好敵手が志半ばで引退したあとも走り続けた。そして前年同様、ドバイ遠征からの帰国初戦でヴィクトリアマイルに再び出走。この時は494kgと前年のように体重を落とすことなくレースに臨み、横綱相撲で単勝1.7倍の圧倒的支持に応えた。

 今年のヴィクトリアマイル(5月15日・東京)も、ソダシ(牝4歳)やレイパパレ(牝5歳)にレシステンシア(牝5歳)、そして約1年ぶりの出走となるデアリングタクト(牝5歳)ら、迷えるGI馬が顔を揃える。このレースを機に、ウオッカのように高みに上る馬は現れるか、興味は尽きない。

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