高松宮記念を血統面から分析。GⅠ初勝利を狙う7歳馬と、レース相性がいい牝馬が魅力的 (2ページ目)

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 同馬は2019年のGⅡスワンS(京都・芝1400m)、2020年のGⅢ函館スプリントS(函館・芝1200m)、今年のGⅢ阪急杯(阪神・芝1400m)の勝ち馬。2020年の高松宮記念では、2着のグランアレグリアからアタマ差の3着(4位入線からの繰り上がり)に終わったが、直線でもっとも勢いがついているところで挟まれるという大きな不利があった。

 1位入線のクリノガウディーとは同タイムで、ハナ+ハナ+アタマという僅差だっただけに惜しまれる不利だった。その後は故障もあって長い休養を余儀なくされたが、昨夏からの復帰後3戦目となった前走の阪急杯で約1年8カ月ぶりの勝利を飾った。

 重賞勝ちのうち2勝が1400mで、2020年の高松宮記念は重馬場での好走だったが、函館スプリントSの勝ちタイム1分07秒5は同レース史上2番目の好タイム。速い時計にも対応できるスピードの持ち主だ。前走もハナを奪いそうなほどの好スタートから無理せず控え、直線では最内から鮮やかに抜け出して押しきっている。良馬場でもスピードに乗れないということはなさそうだ。

 血統を見ると、母の父サンデーサイレンスという配合は、GⅠ9勝のアーモンドアイと同じ。牝系は、サンデーサイレンスの父ヘイローという世界的名門だ。7歳は高齢の部類に入るが、同じ7歳で2010年にキンシャサノキセキが、2015年にはエアロヴェロシティが勝利するなど好成績を残している。キンシャサノキセキとは、5歳時の高松宮記念で好走していること(キンシャサノキセキは2着)、函館スプリントSとスワンSを勝っているという点も共通しており、7歳でのGⅠ初制覇に期待したい。

 もう1頭もロードカナロア産駒のレイハリア(牝4歳/美浦・田島俊明厩舎)を推したい。同馬は今回と同じ条件で行なわれた重賞・葵Sのほか、GⅢキーンランドC(札幌・芝1200m)も勝利。前走のGⅢ京阪杯(阪神・芝1200m)は16着と敗れたが、4カ月ぶりとなる今回はしっかりと立て直してくるだろう。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る