「荒れる」のが当たり前のフェアリーS。穴党記者推奨の3頭がビッグなお年玉を運んでくる

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Sankei Visual

 新年恒例の3日間開催最終日に行なわれるのは、3歳牝馬によるマイル重賞、GIIIフェアリーS(1月10日/中山・芝1600m)だ。

 過去10年の結果を振り返ってみると、1番人気はわずかに1勝。2着も1回のみと、信頼度はかなり低い。そのため、毎年好配当が続出。3連単はすべて4万円超えの万馬券となっており、20万円超えの高額配当が4回もある。

 こうした波乱の要因は、1勝馬同士による対戦がほとんどで、それぞれの対戦歴が乏しく、各馬の実力比較が難しいことが挙げられる。実際、過去10年の勝ち馬のうち5頭が、前走で新馬、あるいは未勝利を勝ち上がってきた馬となっている。

 そして今年も、出走馬すべてが1勝馬。例年以上に"大荒れ"ムードが漂っている。

 こうした状況を受けて、デイリー馬三郎の木村拓人記者は「こうなると、新馬戦を勝ったばかりの戦績に傷がついていない馬のほうが人気になりそうですね」と語る。なかでも、鞍上にクリストフ・ルメール騎手を配し、新馬戦(10月16日/東京・芝1600m)を快勝したエリカヴィータ(牝3歳)が人気を集めそうだ。

 だが、木村記者は同馬については厳しい目を向ける。

「もちろん、潜在能力の差であっさり、ということも考えられますが、トレセンでの様子を見る限り、ちょっと馬体が細いというか、(新馬戦から)減っているようにも見えるんですよね。過大評価は禁物ではないでしょうか。

 同じく他の1戦1勝馬も、キャリアの浅さが不安要素。絶対視はできません。ならば、未勝利脱出までに時間がかかっていたり、勝ち上がってから(上のクラスで)負けたりして人気を落としている馬のほうが、経験値が高い分、穴馬としての魅力を感じます」

 また、木村記者は今開催前の「降雪の影響も加味すべき」としてこう語る。

「今の中山は、道中でインをしっかり回ってくる馬が強く、外を回しても勝てるのは明らかに地力が上の場合だけ。ただ、今開催では降雪の影響を受けることは間違いありません。3日間開催の最終日のメインレースとなると、芝もかなり掘れている可能性があって、相当読みづらい馬場になりそうな気がします。そうすると、これまでの傾向とは違ってくることも考えられます。いずれにせよ、パワー型に向いた馬場になるのではないでしょうか」

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