2021.12.25

有馬記念は2強の一騎打ちか。一角崩しがあるなら持久力勝負で浮上する「善戦マン」

  • 大西直宏●解説 analysis by Onishi Naohiro
  • photo by Sankei Visual

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 いよいよGI有馬記念(12月26日/中山・芝2500m)ですね。駅や電車内など至るところに告知ポスターが貼られ、テレビCMも見ない日がないくらい流されています。

 そうしたこともあって、ふだん馬券を買わない人も参加する、一年で最も注目度の高いレースです。それゆえ、僕も何とか「有馬記念だけは買う」という読者の方々のお役に立てればな、と思っています。

 さて、有馬記念の舞台となるのは、中山・芝2500m。このコースは「トリッキー」と言われるように、なかなか特徴的です。僕も有馬記念には2度ほど乗ったことがありますが、乗り難しいコースという印象が強いです。

 具体的には、コーナーの途中のような場所からスタートするので、ポジション取りが難しい点が挙げられます。特に外枠は(前に)壁を作りにくいので、先行馬なら絶対に内枠がほしいところでしょう。

 次に厄介なのは、内回りコースに入る2周目の、3コーナーから直線入り口まで。騎手にとっては、最大の攻略ポイントとなります。というのも、バテてしまって下がってくる馬や、逆に外から早めにマクってくる馬などがいて、非常にゴチャつくからです。ここでさばき損ねてしまうと、直線で脚を余してしまうことになります。

 また、このコースは2500mという距離のわりに「マイラーが好走する」と言われています。これは、ペースの問題が大きいと思われます。

 コーナーが6回もあって、そのつどスピードが落ちて息が入りやすく、道中は距離を意識して淡々と流れることが多いので、最後の直線勝負という展開になることがあるからです。そうなると、スタミナに不安がある馬でもごまかしが効くのかもしれません。

 しかしながら、今年の有馬記念はマイラーには厳しいでしょう。スタミナが必要な持久力勝負になりそうな予感がするからです。なにしろ、気風がいいハイペースの逃げで、GIII福島記念(11月14日/福島・芝2000m)を制して臨むパンサラッサ(牡4歳)がいますからね。

 さらに、GI菊花賞(10月24日/阪神・芝3000m)の長丁場をまんまと逃げきったタイトルホルダー(牡3歳)もいます。この2頭は後続をある程度離して逃げたいクチ。少なくとも団子状態のスローペースで、淡々と回ってくるような展開は考えられません。

 そうして、最後の3コーナーを迎えて逃げ馬と後続との差があると、後続はその時点からロングスパートを仕掛けなければいけません。人気馬のゴーサインとともに、各馬が一斉に動き出すことになるでしょう。