アルゼンチン共和国杯は血統ロマンを追う。飛躍に期待の「ニューヒーロー候補」は?

  • 平出貴昭●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Sankei Visual

 11月7日、東京競馬場でGⅡアルゼンチン共和国杯(芝2500m)が行なわれる。

 このレースは"出世レース"として知られ、近年では2015年の勝ち馬ゴールドアクターが後にGⅠ有馬記念を、2016年の勝ち馬シュヴァルグラン、2017年の勝ち馬スワーヴリチャードが後にGⅠジャパンCを勝利している。今回も将来のニュースター候補を探していこう。

 その際に重要なのは、あまり底を見せておらず、これから伸びそうな3~5歳の若い馬であること。そういった、血統や伸びしろという意味で気になる存在がフライライクバード(牡4歳/栗東・友道康夫厩舎)だ。

前走のムーンライトHを勝利したフライライクバード前走のムーンライトHを勝利したフライライクバードこの記事に関連する写真を見る 同馬は昨年2月に初勝利を挙げると、続く1勝クラスのアザレア賞(阪神/芝2400m)も勝利。今年に入ってからは、2勝クラスの長良川特別(中京/芝2200m)、前走の3勝クラスのムーンライトH(中京/芝2200m)を勝ってオープン入りを果たした。

 父スクリーンヒーローは本馬と同じ4歳時、このレースで重賞初制覇を果たし、その勢いのままGⅠジャパンCを勝利。スクリーンヒーローの産駒は、前述のゴールドアクターも4歳時にアルゼンチン共和国杯で重賞初制覇を果たし、続く有馬記念を勝利している。スクリーンヒーローの系統といえば、この秋、代表産駒モーリスの仔ピクシーナイトがGⅠスプリンターズSを勝ち、産駒のGⅠ初制覇達成と勢いに乗っている。

さらに、母の父シンボリクリスエスも、後継種牡馬エピファネイアの産駒エフフォーリアがGⅠ天皇賞・秋を勝利。父、母の父ともに、この秋の注目血統だ。

 母シングライクバードの産駒シングウィズジョイは、東京で行なわれたGⅡフローラS(芝2000m)の勝ち馬。また、5代母ロイヤルレジナのひ孫ムッシュシェクルは1993年のこのレースで重賞初制覇を飾り、続くGⅡ日経新春杯、GⅡ阪神大賞典と重賞を3連勝。GⅠ天皇賞(春)でもビワハヤヒデの3着に入った。

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