新種牡馬キタサンブラックの子、ラスールは「注文をつけるところがない」仕上がり (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

 そのシャケトラの妹ゆえ、多くのファンが関心を寄せているラスール。デビュー戦は10月10日の2歳新馬(東京・芝1600m)、鞍上はクリストフ・ルメール騎手が務める予定だ。目前に迫った初陣を前にして、陣営はどんな感触を得ているのだろうか。関東競馬専門紙のトラックマンがその様子を伝える。

「ラスールは馬体重が480kgほどで、牝馬としては十分な馬格をしていますが、大きさのわりに『手先が軽く、柔らかみもある』とスタッフ。足さばきも軽やかだそうです。

 藤沢厩舎では3歳上の兄シハーブ(牡5歳/父ゴールドアリュール)も管理していますが、そちらはパワフルな馬体で、いかにもダート向き。しかし、『ラスールは兄とはまったく違うタイプ』とのことです」

 また、偉大な兄シャケトラはデビューが3歳6月と遅かったが、ラスールはすでにある程度の仕上がりを見せているという。その分、陣営の期待も大きい。先述のトラックマンが続ける。

「藤沢厩舎らしく馬なりの調教が基本ですが、ラスールは『余力たっぷりで、いい動きをしている』と、スタッフも好感触を得ているようです。順調にメニューをこなしていて『初戦からある程度やれるはず』と、デビュー戦に向けても相当な手応えを感じている口ぶりでした。気性も悪くなく、そのスタッフは『注文をつけるところはない』と笑顔を見せていました」

 重賞3勝のシャケトラを兄に持ち、新種牡馬キタサンブラックの子のなかでも大きな注目を集めるラスール。まもなく迎える初戦でどんな走りを見せてくれるのか、必見である。

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